クリーニンングトラブル相談ランキング1位:バッグの汚れ
クリーニンングトラブル相談ランキング2位:革製品の染み(シミ、しみ)
クリーニンングトラブル相談ランキング3位:財布の汚れ
クリーニンングトラブル相談ランキング4位:日焼け、色焼け
クリーニンングトラブル相談ランキング5位:衿・脇の黄ばみ
修復No.200644 オーストリッチのバッグバック染み抜きクリーニング
修復後全体
修復前全体
修復前アップ
修復後アップ
神奈川県からのご依頼品
オーストリッチバッグ
色柄:キャメル
オーストリッチのバッグを保管しておりましたところ、前のポケット両端にシミができてしまいました。無理だと思って諦めていたのですが、先日テレビを拝見させていただきまして、是非一度診断していただきたく思ってご連絡を差し上げた次第です。
お忙しいのは十分承知しております。
何か月でも待ちますのでよろしくお願いします。
特殊染み抜き処理 15,750円
インキング修復 10,500円
テレビで見ていた通りの出来栄えで大満足です。
今回バッグの構造について色々教えていただきましたので、今後購入する際にも注意してみていきたいと思います。
同じようなトラブルが起きた時はまたご相談にのっていただきたいと思います。
幾分寒くなってまいりました、夜遅くまでお仕事をされているようですが、お身体には十分ご自愛くださいませ。
オーストリッチの難しいところはクィルという羽軸を抜いたイボがある事です。
このイボは意外と摩擦に弱いので、この部分を触らないように処理していきます。
表面は加工がされていないものがほとんどで、表皮部分は独特の皺がありますので、染み抜き作業も限界があります。
だからと言ってインキングだけで修復しようとすると、表皮が完全に潰れて風合いがなくなってしまうので、なるべくシミを薄くして風合いを残しながら混色してぼかしていくという作業になります。
クィル部分もある程度は修復作業できますが、中心に行くほど濃くなっていきますので、大きさにあった道具を作って作業する必要があります。
余談ですがこのクィルが綺麗いに揃っているものがより高級品だそうで、綺麗に揃っている部分はダチョウ一匹から40%しか取れないそうです。
今回のトラブルは製品上の問題が原因です。
バッグをバラしてみると分かるのですが、この変色した部分の内側には接着テープが使用されています。
バッグを縫製する際に一度仮止めとして使用するこの接着が、時間とともに化学反応を起こし表面の革を変質させてしまうというトラブルです。
当社ではこのようなトラブルを内的要因によるトラブルと言っております。
内的要因:バッグ自体の構造上のトラブル。
外的要因:外部との接触で起こるトラブル。
今回のような内的要因で起こるトラブルは非常に多く、有名ブランドの製品であっても同じようなケースがたくさん当社に相談されています。
2008年度はこのような内的要因によるトラブル事例をいくつか紹介していきたいと思います。