「キャンバス布製バッグはクリーニングに出してもたいしてきれいにならない」と言う相談は多いです。これはバッグが元々「洗ってメンテナスしていく」という概念で作られていないから構造上そのままの形で作業がしにくい為です。
洗うと内側の芯材やボンドが滲み出たり、型崩れ縮みなどがおきてしまうためほとんど表面を拭きあげるぐらいしかしないお店が多いです。無論メーカーに出しても同じで布製バッグ、特に革とのコンビバッグはそのままの形での染み抜きやクリーニングが難しい製品が多いです。
当社では解体してパーツごとに分解して芯材をはずし、キャンバスの布一枚の状態にして作業を行う事ができます。
時間と費用はかかりますが、パーツ単体にすれば落ちないシミはありませんし、型崩れや縮みなどは一切起こりません。
ただし元の形に戻していく作業が大変で、同じ針穴に1本1本糸を戻していく作業は大変時間のかかる作業となっております。

今回はかなり汚れが激しかったので解体パーツ分解しておりますが、部分的な染み抜きなどでは解体は行いません。
依頼品の状態は様々ですので、使用年数や汚れ具合を診察し、可能な処置の内容をご予算に合わせて事前に説明させて頂いております。

特に今回のような施術の場合は、事前に部分的にテストを行い、その写真を依頼主様に確認頂いてから最終的に作業に入るよう徹底しています。