ムートン毛皮の変色相談は多いです。特に淡い色や鮮やかな色味の物は色が変わりやすいです。リアルファーは人間の髪の毛と構造が同じです。
よってメンテナンスも人間の髪の毛と同じような取扱いが必要となります。

ムートン自体元々ピンク色の物はありませんので、染色してピンクにしているのですが、人間の髪の毛同様にカラーした後時間が経過すれば色が落ちたり変色したりします。シャンプーをしなかったとしても、紫外線や酸化の影響だったり空気に触れている状態で色々な化学反応が起き色が変わって行きます。
メカニズムとしては毛がダメージを受けて色が変化してしまうという原理になりますので、ダメージ補修と染め直しという作業が必要になるケースがほとんどです。
ほとんどの毛皮のトラブルの場合毛先はアルカリになっています。

毛皮のメンテはパウダークリーニングという方法が一般的ですが、パウダークリーニングは毛表面の汚れを落とすだけですので、毛組織のダメージ補修にはなんら役に立ちません。もちろん色も戻りません。
人間の髪の毛と同じようにイメージして頂ければ皆さんご理解頂けると思います。
時代の流れでリアルファー製品が少なくなってきますので、長く愛用していくには正しいメンテナスを行ってあげる必要があると思います。

今回のご相談は全体的に色が薄くなって、部分的に激しく緑になっていたので、全体を染め直ししています。裏面はポリエステルの化学繊維だったので染め直しをご提案させて頂きました。
デザインによっては染め直しが難しい場合もあります。そのようなケースでは色が変わった部分だけを染色することも可能です。